ことし8月に国際宇宙ステーションから地球に帰還した宇宙飛行士の大西卓哉さんが、都内で報告会を開き、宇宙での長期滞在を振り返り、今後の有人月探査プロジェクトへの抱負を述べました。

大西卓哉さんは、ことし8月までおよそ5か月間、国際宇宙ステーションに長期滞在し、科学実験を担当したほか、日本人宇宙飛行士として3人目となる船長を務めました。
14日都内で開かれた報告会には、親子連れや大学生などおよそ500人が集まり、大西さんは、生物の細胞がどのように重力を感じているのかを調べる実験の様子などを映像を交えて詳しく紹介しました。
また、大西さんと入れ替わる形で長期滞在している宇宙飛行士の油井亀美也さんとビデオ通話が結ばれ、油井さんは「機器や装置の扱い方など大西さんから直接コツを教えてもらって、仕事をスムーズに進めることができた」などと述べました。
このあとの質問コーナーで、参加した子どもから宇宙で大変だったことを尋ねられた大西さんは、「船内の3つのトイレがすべて故障し、クルー総動員で急いで1時間ほど修理した」というエピソードを披露し、会場の笑いを誘っていました。
さらに大西さんは、アメリカのアルテミス計画など、有人月探査プロジェクトに触れ、「これまでの経験を武器に1人の宇宙飛行士として挑戦したい。ただ、今のスキルではまだ足りず、月に着陸するための訓練などもっと新しいスキルを身につけていきたい」と抱負を語りました。