“「偽情報」が最も深刻なリスクに”「ダボス会議」前に報告書
世界の政財界のリーダーが集まる「ダボス会議」が今月15日から始まるのを前に、会議を主催する世界経済フォーラムは、社会や政治の分断を拡大させるおそれがあるとして「偽情報」が最も深刻なリスクになるという報告書を発表しました。
世界経済フォーラムは、各国の政治経済のリーダーや学識経験者などを対象に広く調査を行い、世界が直面するさまざまなリスクについて例年この時期に報告書をまとめていて、ことしは1400人以上から回答を得ました。
10日に発表された報告書では、今後2年間で予想される最も深刻なリスクとして「偽情報」をあげました。
アメリカの大統領選挙やインドの総選挙など、各国で選挙が相次ぐ中、偽情報が広められ、選挙で選ばれた政府の正統性が損なわれて政治的に不安定な状況になる可能性を指摘しています。
また、偽情報は、偏見や暴力的な抗議活動、テロなどをあおる可能性があり、社会や政治の分断を拡大させるおそれもあるとしています。
さらに、偽情報のリスクは、AIによって増大しているとして報告書では「AIは、改ざんされた情報や高度な音声の複製など、合成されたコンテンツの爆発的な増加をすでに可能にしている」としたうえで各国政府が新たな規制を導入し始めていると指摘しています。
その上で「分断が進む世界であっても、重大なリスクに対しては、国境を越えた大規模な協力が不可欠だ」と提言しています。