ことし賃上げした企業89.1% 平均賃金も月額9437円引き上げ
全国の企業のうち、ことし賃金を引き上げた、または引き上げるとした割合は89.1%と、去年を3ポイント余り上回ったことが厚生労働省の調査でわかりました。1人当たりの平均賃金も月額9437円引き上がっていて、現在の形で調査を始めた1999年以降で最も高くなっています。
厚生労働省は全国の従業員100人以上の企業を対象に毎年、賃金の引き上げの状況を調べていて、ことしは対象の52%に当たる1901社が回答しました。
それによりますと、ベースアップや定期昇給などでことし賃金を引き上げた、または引き上げるとした企業は89.1%で、去年を3.4ポイント上回りました。
賃金を引き上げた企業の割合が前の年を上回るのは2年連続です。
産業別でみると賃金を引き上げた、または引き上げるとした企業の割合が最も高いのは、
▽「建設業」で99.7%
次いで
▽「製造業」の97.4%となっています。
一方で、最も低かったのは
▽「運輸業、郵便業」で71%
▽「宿泊業、飲食サービス業」は77.4%などとなっています。
1人当たりの平均賃金も月額9437円引き上がっていて、率にすると3.2%の上昇となり現在の形で調査を始めた1999年以降で最も高くなりました。
厚生労働省は「物価の動向を考慮した企業や人材確保に向けて取り組む多くの企業などが賃金を引き上げた影響が表れたものと考えられ、今後も注視していきたい」としています。