偏食なので「お通し」を拒否したいです。
食べられないのにお金を払いたくないのですが、
拒否できるのでしょうか?
8月はお盆や夏休みなどで、友人に会う機会が増え、居酒屋に行くという人も多いのではないでしょうか。気の置けない仲間と楽しくお酒を飲んで近況報告や昔話に花を咲かせる時間はとても楽しいものですね。そんな楽しい集まりの場となる居酒屋ですが、偏食さんを悩ませるのが「お通し」の存在です。 自身でオーダーするのではなく、自動的に出てきてしまうところがほとんどで、「苦手なものばっかりだった……」ということもあるのではないでしょうか。
お通しは有料なので、食べられないものにお金を払いたくないという気持ちは理解できます。それでは、お通しは拒否できるのでしょうか。本記事ではそんな居酒屋のお通しについて詳しく解説します。
そもそもお通しってなぜ出るの?
お通しとは、客が席について最初に出される料理のことです。最初のオーダードリンクとともに提供されることもあれば、あらかじめ席に用意されている場合もあります。枝豆のように簡単に提供できるものから、こだわりの前菜3種盛りのようなものまで店によってさまざまです。 店が客にお通しを出す理由としては、最初に飲み物と料理を注文した場合、一般的に飲み物はすぐに提供できますが、揚げ物や焼き物のような料理は提供までに時間がかかることがあげられます。居酒屋によってはすぐに出せる「スピード料理」をメニューに用意しているところもありますが、飲み物と食事をすぐに楽しんでもらうためにお通しを出しているのです。
また、お酒を提供する店では「席料」「チャージ料」というサービス料が発生するという慣習があります。そのサービス料としてお通しを有料で提供するという側面も持っているのです。
お通しは民法上どういう契約なの?
まず、民法上契約が発生するには、売り手(店)と買い手(客)の同意が大前提となります。この前提で考えると、勝手に出されるお通しは客から提供の同意を得ていないので、契約は成立していないようにも思われますね。しかし、提供されたお通しを客が食べた時点で、利益を得たとみなされ、お通し代を支払う義務が発生します。
また、居酒屋でお通しが出され、その多くが有料であることは社会通念上、一般的なことであると考えられます。そのため、居酒屋で席に座り、お通しが出てくる時点で店と客との間に売買契約が成立し、支払い義務が成立するということになります。
お通しは拒否できる?
基本的にお通しは拒否できないことが多いです。その理由は先ほども解説した通り、お通しには「席料」や「サービス料」という側面があり、お通しをメニューの一環として提供しているわけではないからです。
特に店頭やメニュー表にお通し代や席料についての言及がある場合は、その支払いに合意して店を利用しているということになるので、支払いを拒否することは難しいでしょう。そのためこのケースだと「お通し」そのものは拒否できたとしても、「席料」としてお通し代を支払う必要がある場合がほとんどです。
偏食やアレルギーの場合は事前に相談しておくと安心
お通しは店と客との売買契約が成立している以上、客には支払い義務が発生します。とはいえ、偏食や重度のアレルギーといった理由で提供されたお通しが食べられないこともあるでしょう。
お通しに関して心配なことがあれば、あらかじめ店にどのような料理がお通しとして出されるのかを確認するのもひとつの方法です。場合によってはお通しの料理に配慮をしてくれることもあります。ただし、店側の厚意によるものなので、過度な期待は禁物です。せっかくの飲み会はお通しも含めて楽しめるといいですね。
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