韓国式年齢の数え方を廃止
年齢の数え方に「数え年」も採用している韓国式年齢表記を満年齢に統一する方向で準備が進んでいます。
韓国で最も多く使われている年齢の数え方は数え年ですが、その他にも出生日を基準にした数え方の満年齢があり、出生年度を基準に計算した年齢の数え方など3種類が併用されています。
韓国で伝統的な年齢の数え方である数え年は、生まれた時点で「1歳」となり、以降、新年を迎えるたびに1歳を加算する数え方です。
12月に生まれた場合、生まれた時点で1歳ですので、翌月の1月1日には2歳になります。
これに対して日本でも使われている満年齢は、生まれた時点の年齢を0歳とし、翌年の誕生日を迎えた時点で1歳を加算します。
そのため、数え年は元日から誕生日前日までは「満年齢+2歳」となり、誕生日以降は「満年齢+1歳」となります。
韓国では一般的に年齢を数え年で紹介し、満年齢で紹介する必要がある場合は必ず「満」という字を入れます。
そのため日常生活で数え年を使うことに大きな問題はありません。
一方、法律では原則的に生まれた日を0歳とし、誕生日ごとに1歳ずつ加算する満年齢が使われていますが、数え年と満年齢には1歳から2歳の差が出ることから、ときに混乱を招くことがありました。
例えば、56歳となっている賃金ピーク制の適用年齢について、労働者側は満56歳と解釈すべきだと主張していますが、裁判所は満55歳と解釈するの妥当だとする見解を示し、今なお争いは続いています。
最近では新型コロナウイルスの余ったワクチンを接種する過程で、保健当局は30歳未満についてはアストラゼネカ製のワクチン接種を推奨しないとしましたが、基準となった30歳が数え年の30歳なのか、満30歳なのかが問題になったこともあります。
こうした状況を踏まえて、尹錫悦(ユン・ソンヨル)次期大統領は先の選挙で、年齢の数え方を統一するとの公約を掲げ、政権引き継ぎ次委員会が年齢の数え方を満年齢で統一する方向で準備を進めています。
政権引き継ぎ委員会は、民法や行政基本法などに満年齢の数え方について具体的に明記し、社会的に「満年齢」の使用を原則として確立するとしています。
法律によっては出生年度を基準に年齢を計算するケースもあり、年齢の数え方を満年齢に統一する場合、全般的な法整備が必要になります。
政権引き継ぎ委員会は、まずは行政基本法に国家または地方自治体の公文書で満年齢だけを使用するよう明記することにし、来年中に行政基本法の改正案を国会に提出することにしています。
リンク: http://world.kbs.co.kr/service/contents_view.htm?lang=j&menu_cate=issues&board_seq=421476