新年を気持ちよく迎えるための大晦日の行事ごと
大切なお客様である歳神様を迎えるにあたって、家の掃除は不可欠である。大掃除は、地域によって異なるが、12月13日から始め大晦日までに終わらせるのが本来の時期だ。ただし12月29日は9という数字が苦に繋がることから縁起が悪いとされていて、掃除をしてはいけない。また、その年最後の掃き掃除のことを「掃き納め」と呼ぶが、元日に掃除をしてしまうとせっかく招いた歳神様を掃き出してしまうことになるため、新年に掃除は行わない。その他にも大晦日には伝統行事があり、身と心を清め新年を迎える準備をする。
除夜の鐘
大晦日は「除夜」とも呼ばれており、大晦日の夜から1月1日にかけて鳴らす除夜の鐘は今でもよく知られている。鐘を撞く回数は人の煩悩の数を示す108回で、寒空の下で響く鐘の音に誰しも一度は耳を傾けたことがあるように、煩悩を取り去り、正しく清らかな心で新年を迎えることができるようにするものである。
年の湯
大晦日の夜にお風呂に入ることを「年の湯」と言い、ここでしっかりと一年の垢を落とし、気持ち良く新年を迎える。今と違い、毎日入浴することが当たり前でなかった時代は、大晦日の入浴が特別なものであったに違いない。
年越し蕎麦
「年越し蕎麦」を食べる習慣は比較的新しく、江戸時代から始まったと言われている。別名「つごもりそば」、「三十日そば」とも呼ばれ、細く長い見た目から長寿や健康を願って食べられるようになった。また、蕎麦の麺は切れやすいことから「一年の災厄を断ち切る」という意味もある。
現在では、一部地域で年越し蕎麦の代わりにうどんが食べられていることもあり、蕎麦、うどんともに、一年のうち12月31日に最も多く購入されている。(総務省統計局「家計簿からみた365日~日別集計結果より」参照)
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