会社にとって「一番お荷物になる社員」4つの条件
今年は、昨年を上回るハイペースで早期希望退職の募集が行われています。もちろん、新型コロナの影響で業績・財務体質が悪化したことに対応した措置です。
いま当り前のように「経営が厳しい」→「よし、社員を減らそう」という流れになっていますが、社員が減ってさらに戦力が低下してしまっては、元も子もありません。これだけ大規模な早期希望退職が行われるのは、経営者・人事部門から見て「会社にいて欲しくない」「いなくなってもまったく困らない」という社員が相当数いることを意味します。
今回、企業の経営者や人事部門の責任者・担当者35名に「企業にとって一番お荷物な社員」についてヒアリングをしました。その調査結果から、お荷物な社員の特徴を考えてみましょう。
1.能力やパフォーマンスが低いことへの自覚がない
「ダメな社員は、自分に何が求められているのか、求められている水準に達しているのか、自分のどこを直せば良いのか、という自省が根本的に足りません」(輸送機)
「仕事ができる社員には、入社した頃から優秀で何でもできちゃうというタイプもいますが、経験を積んで段階的に良くなっていくということがあります。一方、仕事ができない社員は、せっかく経験を積んでも、教育訓練を受けても、能力・スキルがなかなか上がりません。自分の能力やパフォーマンスが低いという自覚がないから、そういう残念な状態がずっと続いてしまうんでしょうね」(サービス)
2.自責的に考えることができない
「誰でもミスや失敗があるわけですが、お荷物な社員はミスや失敗を他人のせい、環境のせいにします。明らかに本人に問題があるというケースでも、せいぜい『運が悪かった』と思うくらいで、自責的に考えることはありません。問題がわかっていないので、行動も変わらず、いつまで経っても同じような失敗を繰り返しています」(IT)
3.自発的に行動しない
「お荷物な社員は、意欲が低いのとリスクや責任を負いたくないという気持ちから、とにかく自分から動こうとはしません。入社3年目くらいまでは許せても、ずっとその調子でいると、会社にとってはお荷物です」(精密)
「パフォーマンスが低いダメ社員は、いかに少ない労力で済まそうかと、楽をすることばかり考えています。定年間際で体力が落ちた高齢社員ならまだしも、20代の若手同士が『俺はこうやって手抜きした』と自慢し合っているのを見ると、絶望的な気持ちになります」(マスコミ)
4.周囲に悪影響をまき散らす
「自分が仕事しないだけならまだしも、職場のメンバーに悪影響をまき散らす社員がいます。メンバーが懸命に仕事をしているのに、『そんなことやったって意味ないよ』とか言ってムードを盛り下げるのを見ると、『早く会社を辞めてくれ。辞めないなら風邪ひいてずっと休んでいてくれ』と叫びたくなります」(商社)
「他のメンバーの足を引っ張る問題社員って、意外と悪気はないようです。悪気がないから反省することなく、いつまでも足を引っ張り続けて、まったく質が悪いです」(部品)
これらの特徴をひとまとめに論じるのは難しいですが、お荷物な社員は、自分自身としっかり向き合い、態度や行動を変えていく、ということができていないようです。
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