「スカジャン」とは? 知っておきたい、
由来、刺繍の意味から素材の種類まで。
90年代ストリートファッションのリバイバルによって再び注目を浴びているスカジャン。選ぶときに知っておきたい知識を、徹底的に紹介!
1.「スカジャン」とは、かつて米兵が自国の土産物として持ち帰ったスーベニアジャケット。
日本では「スカジャン」の愛称で知られるサテン系素材のジャケットは、前後に派手な刺繍を施したデコレーションが最大の特徴だ。アメリカでは「スーベニア(土産)ジャケット」という呼称で知られているように、そのルーツは戦後間もない頃、日本に駐留していたアメリカ軍兵が記念品として日本らしいオリエンタルな柄や所属している部隊のモチーフをジャケットに刺繍して持ち帰ったのが始まりとされている。
着物や帯といった日本の伝統品を土産物として好んで購入していた当時のアメリカ人に目をつけ、親しみやすいベースボールジャケットを模して、彼らが好むオリエンタルな刺繍を施して販売したところ、これが大盛況。当時は物資統制により絹糸などが入手困難であったことから、シルクに似たアセテートレーヨンをボディに採用していた。日本各地の基地に納入されたことを皮切りに、やがて海外の米軍基地にまで正規納入されるようになり、1950年代には全盛期を迎える。やが日本の横須賀基地周辺でも一般に向けて販売されるようになり、1970年代には「スカジャン」の愛称でファッション化する。
2.「鷲」「虎」「龍」など、刺繍の柄にはどんな意味が込められている?
独自にカスタムを施した刺繍の装飾には、アメリカの国鳥でもある「鷲」、雄々しい「虎」「龍」など、日本由来の様々なモチーフを組み合わせるのが主流だ。デザインの種類にはどんな由来があるのか見ていこう。
虎(トラ)
アジアを代表する哺乳類というイメージに加え、日本でも古来より人気があり、強い者の象徴として親しまれている虎は、アメリカ人が好む鉄板人気の図柄でもある。
鷲(ワシ)
アメリカの国鳥としても知られ、男性らしい雄々しさを持つ鷲(=イーグル)は、アメリカ人が最も好むモチーフのひとつ。爆撃機、平和の象徴などにも使われることが多い。
龍(リュウ)
元来は中国の伝統的な架空の生き物だが、オリエンタルな柄を好むアメリカ人は、このデコラティブなデザインを好んで使っていたようだ。図柄の種類も最も多いことで知られる。
JAPAN
日本庭園や富士山、芸者など、日本を想起させる図柄の刺繍とセットで背面のトップに配されることが多い。スカジャンが“土産物”として存在していた確かな証でもある。
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[単語]
1. サテン:ドレスなどのフォーマルなシーンでよく使われる生地
2. 刺繍(ししゅう):刺しゅう針と刺しゅう糸を使って生地にモチーフを施していく手芸の1種です。
3. 絹(きぬ):シルク。
4. 図柄(ずがら):図案の柄のこと。
5. 鷲(わし):イーグル