お正月特集、おせち料理の意味と由来
お正月とは、年神様を自分の家へお迎えし、おもてなしし、お見送りするという一連の伝統行事。
まず、正月事始めの12月13日に、場を浄める「すす払い」からお正月の準備が始まります。神様は清浄を好むので、浄める=掃除するほど福がもらえるといわれます。特に念入りに掃除したいのは、台所。食べることは生きること、家族の命を支えることにつながるからです。ほかには、健康を司るバス・トイレの掃除をしっかりと。とにかく水回りの掃除が大切といえます。
掃除が終わったら、神様が占める場所、つまり「結界」を張るという意味でしめ飾りを飾ります。玄関の門には案内役としての神が宿る木、門松を飾り、年神様がいらっしゃるのを待ちます。
お迎えした神様がより付く場所である鏡もち。米からできるもちは神聖な食べ物で、鏡は神事に欠かせない三種の神器の一つです。鏡もちが二段なのは、陰と陽を表しているため。鏡開きは、関東では1月11日、関西では1月15日(地域によっては20日)に行うところが多いようです。
年神様をおもてなしするための料理、おせちも用意します。
そしていよいよ元日の朝を迎えます。「あけましておめでとう」とは、無事に年神様をお迎えできてめでたい、という意味です。朝一番に一家の家長が新鮮な水をくみ、この「若水」を使ってお雑煮を作ります。昔は井戸からくんでいましたが、今は年初の水道水や未開封のペットボトルなどの水を使うといいでしょう。
まずお屠蘇(とそ)を年下の人から順にいただきます。おせちは、年神様にお供えしてからいただきましょう。おせちをいただくときに使う祝い箸が、両方の先が細くなっている両口箸なのも、年神様と一緒にいただくという意味が込められています。
お雑煮は、年神様の魂が宿った「年魂」=もちを雑多なものと一緒に煮込む料理で、新年の魂、生きる気力をいただくものです。
こうして年神様をおもてなしし、福をいただいた後、年神様は1月7日(関西では1月15日、地域によっては20日)にお帰りになるので、松が明ける日としてお正月飾りをはずします。
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[単語]
1. すす払い(すすばらい):お正月の準備として、大掃除を始める日です。12月13日。
2. 浄める(きよめる):けがれや汚れを除き去って清らかにするのこと。
3. 司る(つかさどる):職務・任務として取り扱う。