「お手伝いしたい」「嬉しくて泣けた」ALS女性、
SNSで逮捕医師とやりとり
2人の医師から薬物を投与されて死亡した女性は、会員制交流サイト(SNS)を通じて医師と連絡を取り、「安楽死させてほしい」という趣旨の依頼をしていたとみられている。
「作業は簡単だろうからカリスマ医師じゃなくてもいいです」。平成31年1月3日、ALS患者の女性がツイッターに書き込むと3分後、「訴追されないなら、お手伝いしたいのですが」と返信があった。書き込んだのは大久保愉一容疑者。2人の交流はこのころから始まったとみられる。
女性は「『お手伝いしたいのですが』という言葉が嬉しくて泣けてきました」と応答。同じ年の8月には「すべての医療行為には患者さんの同意がいるわけで、意に反する処置は本来違法です。なんなら当院にうつりますか?自然な最期まで導きますが」と持ちかける大久保容疑者に、女性が「ありがとうございます 決意したらよろしくお願いします」と応じることもあった。
女性はツイッターで、ALSの苦しさと安楽死が認められない現状に対しての複雑な心境も多数つづっていた。
「屈辱的で惨めな毎日がずっと続く」「安楽死させてください」。昨年9月17日の投稿で、女性は苦しい胸のうちを、こう打ち明けた。
30年4月24日にツイッターを開始し、「ALSを発症して7年になります。この度、勇気を出してツイッター始めました」と初投稿。「海外で安楽死を受けるため始動します!色々乗り越えなくてはならない壁がありますが、挑戦しようと思います!!」と続け、以後はALSを発症した苦しみと安楽死への思いを訴えてきた。
31年1月30日には、「望まないのにこんな体で無理やり生かされてるのは人権の侵害だと考えます」と記述。その2カ月後には、「患者を生かすことをなぜいつまで医療者は使命だと思っているのだろう?」と現在の医療制度や法体制への不満も漏らしていた。
リンク:https://news.yahoo.co.jp/articles/7c09b173bdaccf1e1e34a6a0b8ad59bb1ae47aba
[単語]
1.安楽死(あんらくし):回復の見込みがなく苦痛の激しい病人が、本人の意志のもと、延命を拒んだり死期を早める処置を受けたりして死ぬこと。
2.訴追(そつい): 検察官が刑事事件について公訴を提起し、それを遂行すること。
3.心境(しんきょう):その時の気持ち。心の状態。心持ち。
4.屈辱(くつじょく):はずかしめられて、面目を失うこと。
5.惨め(みじめ):かわいそうで見るにしのびないさま。