東京五輪、今夏断念なら1~2年延期も 組織委理事
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会理事の高橋治之氏は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今夏の五輪開催が難しくなれば、最も現実的な選択肢は開催を1、2年延期することだとの見解を示した。
高橋氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、理事会ではまだ五輪に対するウイルスの影響は議論していないとしながらも、スケジュール変更が他のスポーツイベントにどのような影響があるかを3月下旬の次回理事会までに検討する見込みだとしている。
電通元専務の高橋氏は、五輪中止、あるいは観客無しでの開催による経済的損失はあまりに大きいと述べた。一方、1年未満の延期については、米国の野球やアメフト、欧州のサッカーなど、主要プロスポーツの日程と重なる可能性が高いとの見方を示した。
米ケーブルテレビ(CATV)大手コムキャスト傘下のNBCユニバーサルは、東京五輪の米国での放映権に11億ドル(約1100億円)を支払っている。国際オリンピック委員会(IOC)の決算報告書によると、IOCは収入の約73%を放映権の販売で得ている。
高橋氏は「中止はできない。延期ということだと思う」と指摘。中止すれば「IOC自身が(経営的に)おかしくなる」とし、米放送権料だけでも「大変な金額」だと語った。来年のスポーツイベントの予定はおおむね固まっているため、延期の場合は2年後のほうが調整しやすいとの考えも示した。
新型ウイルス感染が世界的に広がる中、欧州の一部ブックメーカー(賭け屋)が示す五輪の今夏開催の確率は低下している。
五輪組織委の森喜朗会長は6日、大会中止はあり得ないと表明している。
リンク:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-00013061-wsj-int
[単語]
1.選択肢(せんたくし):質問に対して、そこから選択して答えるように用意されている二つ以上の答え。
2.おおむね:だいたいの趣旨。あらまし。その状態が大部分を占めるさま。
3.あり得ない(ありえない): あるはずがない。ありそうもない。そうなる可能性がない。