「水虫」は侮れない!恐ろしい感染ルート、誤診で重症化するニセ水虫…
ジメジメして汗ばむ季節になると気になるのが「水虫」だ。しかし、水虫だと思い込んでいたら実はそうではない「ニセ水虫」だったケースも多いという。しかも「ニセ水虫」は、患者だけでなく、医師も見誤ることがあるほどわかりづらいため、注意が必要だ。そこで、静かに忍び寄る水虫の感染経路と「ニセ水虫」に惑わされないための注意点を、水虫治療の名医として知られる仲皮フ科クリニック仲弥(なか・わたる)院長に聞いた。
● 4人に1人が水虫 足の指の間や裏全体にできる「3タイプ」
毎年、梅雨時から夏にかけて、水虫に悩まされる人が増えてきます。実は、水虫は日本人の4~5人に1人が感染している国民病といわれています。実際に、過去に行われた日本臨床皮膚科医会の調査で、全国の3万4000人以上の皮膚科患者を対象に診察したところ、4人に1人が足に何らかの水虫を持っていると診断されました。なお、この調査では、水虫が理由で来院した人はすべて除いてあります。水虫とは、どのような病気なのでしょうか。水虫は、「白癬(はくせん)菌」というカビ(真菌)の一種が、皮膚の一番外側にある角質に感染して起こる感染症です。そして、この白癬菌が足に感染したものが「足水虫」になります。白癬菌は、角質が大好物で、角質を餌にしながら繁殖していきます。すると皮膚は、それを異物とみなして排除しようと抵抗し、その免疫反応として、水ぶくれや赤み、かゆみなどの症状が起こってきます。これが急性型水虫で、足の指の間に発症する「趾間(しかん)型」と、足の指の付け根や土踏まずに発症する「小水疱型」の2つのタイプがあります。これらの急性型水虫は、白癬菌の活動が活発になる高温多湿の梅雨時から夏にかけて、症状がピークを迎えます。この時期に水虫の患者が増えるのはそのためです。白癬菌の活動が低下する秋から冬にかけては、一時的に症状もおさまりますが、白癬菌は足にすみついたままなので、梅雨時期になるとまた症状が現れてきます。
リンク:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190614-00205512-diamond-soci
[単語]
1. ジメジメ: 湿気が多く不快なさま。
2. 水虫: 白癬菌 (はくせんきん) などの皮膚糸状菌が足の指の間や足の裏に感染して起こる皮膚の病気。
3. 見誤る:見方をまちがえる。
4. 忍び寄る:気づかれないように、そっと近づく。
5. 感染:病原体が体内に侵入すること。特に、そのために種々の病態が起こること。
6. 名医:すぐれた医者。有名な医者。
7. 梅雨:つゆのいり。にゅうばい。
8. カビ:神仏が力を貸して守ってくれること。
9. 角質:動物体を保護する角・毛・羽毛・爪・うろこなどの主な構成成分となるたんぱく質。
10. 発症:病気の症状が現れること。